夢か、現実か
異質な2人の異様な時間は、終わりを迎えようとしていた。
彼が手配した帰りのタクシーに2人で乗り込み
程なくして彼が宿泊する予定のホテルに到着。
「運転手に住所言って、このまま家まで帰りな。支払いは済ませてあるから。
今日は来てくれてありがとう、楽しかった。気をつけてね。」
私は考えることなく「ねえ、もう1軒だけ行かない?」
言葉が口をついて出ていた。
優しい彼は、快諾してくれた。
しかしながら周辺は、閑静な深夜の街。
空いている飲食店が少なかったことから、3軒目の会場は彼の宿泊するホテルになった。
コンビニでお酒とおつまみを買い込み、部屋で乾杯。
こうなることを想定していたかのように、彼はトランプやらUNOやらを持ち合わせていた。
学生時代を思い出しながら、2人して色んなゲームに打ち込み
気がつけば私はソファーで寝落ちしていた。
起きると彼は、ベットで熟睡。
私は家のベットが恋しくなり、連絡さえ残さず
ホテル下に停まっていたタクシーに乗り込み、帰宅した。
起きたらそこは、自分の部屋で
日常の、爽やかな朝を迎えた。
昨日起きた出来事は全て、夢だったのかと錯覚してしまうほど。
携帯を見ると1件、LINE通話の不在着信が通知されていた。
昨日を一緒に過ごした、彼からだった。
夢じゃなかった…!
この瞬間は、本気でそう思いました。笑
私はすぐさまかけ直した。
その時彼はすでに、駅のホームで帰りの新幹線を待っていた。
その通話で言われたのは、意外すぎる言葉たちだった。
続くー!